こんにちわー、しげぞうです。
PTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ術)、これは意外と多いと思います。
胆嚢炎の診断基準に当てはまって、胆嚢が緊満している。
全身状態が悪く、手術ができないとき。
胆嚢ドレナージ目的に処置します。
胆嚢炎の診断基準は?
胆嚢炎は採血データは関係ありません。
・発熱や高CRPなどの炎症反応高値
・右季肋部痛やマーフィー徴候などの臨床所見
・エコーやCTでの画像所見
以上が満たされていれば、胆嚢炎と診断し、抗菌薬とドレナージまたは手術を考慮します。
今回の患者さんは・・・
NETG1で多発肝転移をしている患者さんになります。
急性腎盂腎炎→AFBN→腎膿瘍の腎実質性の経過を辿って改善傾向であったときに
再度発熱、胆嚢炎を疑い、診断をつけました。
腫瘍熱なのか?もしや、っていうのはずっと考えてしまう。
でも、ナイキサンっていうNSAIDsもずっと飲んでるしな。
とにかく、
今回は胆嚢炎と診断し、
手術の出来る全身状態ではなかったので
ドレナージを施行しました。
それが、PTGBDです。
PTGBDを実際するときに
まず必要なものは
エコー、透視室、あとはカテーテルですね。
腹部エコーで肋間操作によって、肝臓・胆嚢をはっきりと描出させて、
胆嚢床にずばっと刺す。
胆嚢底部すぎても、外れてしまうし、
頸部過ぎても、胆嚢動脈から出血してしまう。
これは侵襲的な手技なので、なかなか大変です。
胆嚢床から外れたところで穿刺したとしたら、胆汁が漏れ出てきてしまいますからね。
そのあとは透視で確認。
造影剤(ウログラフィン)を使用し、胆嚢を描出、しっかりと確認してから
ガイドワイヤーを用いて、胆嚢内にピッグカテーテルを挿入します。
胆嚢内部にぐるぐるとピッグカテーテルが挿入されていればはずれませんし、大丈夫です。
PTGBDの検査後
検査後は穿刺手技のあとなので、
手技後、当日は出血性ショックや胆汁流出による腹膜炎のインフォメーションとして
モニター管理+床上安静でしょう。
肋間神経に接していると、刺入部が痛いだろうし、
腹部が調子わるければ、腹腔内出血や胆汁性の腹膜炎が考えれらます。
バイタルに注意しないといけません。
今回の症例がどうなったのか
多発肝転移、胆嚢炎の診断でPTGBD施行しました。
なんと、朝になるとショックバイタルで、Drコールです。
困った。
いろいろと検査して、腹腔内に出血を認めました。
つまり、出血性のショックですね。
ぼくが刺したんではないんですけど、
本当に怖い手技だな、と改めて思いました。
これはねー。助からんのじゃないかな。と思っていますが、やるべきことをやる。
鉄メンタルでやる。
以上です、ありがとうございましたー。2021/03/18