こんにちわー、しげぞうです。
急に左下らへんのお腹が痛い。下痢というほどでもないけどお尻から血も出てきた。どうしよう。怖い。
というときありますか。不安になったと思います。
左下腹部痛+血便で真っ先に浮かぶのは、医療者なら虚血性腸炎なのではないでしょうか。
それくらいCommonな疾患です。
もちろんいろいろね。ありますよ鑑別。現病歴とか既往歴とか併存症とか内服も気になりますしね。
その辺はおいておいて。今回は
虚血性腸炎とは?
ガイドラインに則って解説、勉強したいと思います。
まず、虚血性腸疾患というのは、血流障害が原因となり腸管に炎症を生じる疾患の総称です。
その中で、主幹動脈の閉塞を伴わない、可逆性の血行障害が原因で発症する大腸炎を虚血性大腸炎と称します。
難しくなりましたね。
簡単にいうと、血が不足したせいで、腸炎になったものの中で、まだなんとかもとに戻るものをいいます。
簡単に言いすぎやん。馬鹿にすんなし。
不可逆性のものは急性腸管虚血であり、血行障害を有し、緊急手術を要します。こわ。急げ。
虚血性大腸炎は血管側因子と腸管側因子を成因とし、突発的に起こる左下腹部痛、血便、下痢などの症状が特徴となります。
多くは軽症で保存的加療で改善します。
ここでしょう。知りたかった簡単な話。成因・症状・治療・予後
これだけだと勉強にならんて。
もうすこし詳しくいうと
血管側因子とは、不整脈・虚血性心疾患・動脈硬化症・高血圧など。
腸管側因子とは、便秘などです。
なるほどね、だいたいこういう人がなりやすいんや。わかるわかる。
検査したいよね。どーしよ。
第一選択は内視鏡
下部消化管内視鏡ですね。もちろん、腹部レントゲンとか造影CTとか単純でもいいけど虚血の可能性あるなら造影でしょ。
採血でCRP上昇、白血球上昇などの炎症所見を調べてもいいんですが。初期では異常を示さないことも多いわけよ。
急性期では結腸ヒモに沿った縦走潰瘍、浮腫、発赤、でぃらんなどの所見を認め病期によって変化するから、
やっぱり内視鏡での評価が確定診断に一番いいよね。
ちなみに、結腸ヒモって腸管の血流から離れているところだよね。腸間膜から遠いところ。つまり虚血になりやすいところだよね。
そこから縦走潰瘍や炎症による浮腫、発赤・びらんなどが起きるのは必然ですね。
普通は腸管の内腔をみると、片側性になってたりするんですが、どんどん広がっていき、半周性、全周性に虚血所見が広がっていきます。
鑑別疾患として、抗生物質起因性急性出血性大腸炎、感染性腸炎、collagenous colitis、潰瘍性大腸炎・crohn病があります。
まあ、抑えるべきポイントは治療でしょう。
保存的治療、つまり腸管安静が基本。入院加療が理想ですね。絶食、点滴加療になるからですね。
そのあとは成因に沿った治療の適正化。便秘だとか。
不整脈、高血圧だとか。
原則、抗菌薬投与の必要性はないが、実際には二次感染予防のために抗菌薬が使用される場合もあります。なんてこった。
うーん、下痢を惹起しそうで正直使いたくない。でも腸管安静のせいで小腸の免疫機能が働かないのも嫌だし。GALTが腸管の周りのリンパ節組織が機能しなくなるのでは?とか考えてします。委縮したらかな?腸管安静って絶食が一番いいんかな、必要な栄養素を与えたほうが実際はいいんじゃないんかな。とかいらんことを考えてしまう。調べたくなる。
ちなみに、本当に見落としたくない不可逆性の虚血性腸疾患、急性腸管虚血の代表は
NOMI(非閉塞性腸管膜虚血)、腸間膜動脈閉そく症、腸間膜静脈血栓症など、腸管が広範に壊死する致死性の高い疾患。早期診断が難しいんですよ。これが。
まとめ
虚血性腸疾患とは何か➡血流障害が原因での腸管の炎症
成因は?➡血管側因子と腸管因子
検査は?➡内視鏡
治療は?➡絶食・点滴、つまり腸管安静のためできれば入院。成因の解明・解決
以上でした。ありがとうございましたー。2021/02/22