腰麻、脊麻、うまくやるコツ、失敗例、なんで。

こんにちわー。しげぞうです。

局所麻酔のなかの区域麻酔ですね。脊椎麻酔。

脊椎麻酔について勉強したのでまとめます。

よくありますよね。手術の前に、脊椎麻酔、腰麻、脊麻とかみんな言います。

側臥位で寝てもらって、背中触って、刺す。時間おいて待って、戻す。

麻酔が効いてるって仕組みです。

分類、理論、手順、失敗例

 

まず脊髄麻酔は、脊髄くも膜下麻酔になります。

その名の通り、脊髄を包むくも膜の下、せき髄液の流れるクモ膜下腔に麻酔薬を流し、脊髄に麻酔をするというものです。

脊髄に直接麻酔するので、神経の太さに沿って、温痛触圧の感覚の温、痛まで効くように麻酔をかけていきます。

麻酔薬はマーカインの高比重や等比重を使っています。

マーカインの方がテトラカインよりも神経毒性が少ないからです。効かせたいほうに寝てもらいます。

例えば、左鼠径ヘルニアの患者に高比重マーカインで腰麻で手術となったら、

左を下、左側臥位にして脊椎麻酔、高さはL3-4のあたりのデルマトームを意識して麻酔をかけます。

次はデルマトームの意識。効かせたいところに麻酔をしないといけません。

なにも考えず、広く効かせようと薬を大量に入れると、、、

自律神経を麻痺させるものですから、血圧低下、徐脈、呼吸抑制などが術中に起きます。

自律神経、特に交感神経遮断による下肢の静脈拡張や筋弛緩による静脈管流の減少に起因する。効果範囲がTH1~TH4に及ぶと心臓交感神経枝のブロックにより血圧低下に徐脈が加わる。エフェドリン、輸液負荷、下肢挙上(片足1本で約400-500mlの効果)

術後には尿閉、これは無菌性髄膜炎によるものですね。2-3日で軽快しますが、気になりますよね。術後に尿が出ないとか。

他にも合併症は悪心嘔吐。

低血圧によるものや、迷走神経反射、消化管蠕動亢進や低酸素でも誘発されます。他にいうとしたら、PONVというやつでしょうか。うーん。これは全身麻酔か。

他に不穏、不安。これにもいろいろ理由がありますね。

呼吸抑制、血圧低下、疼痛。原因の除去が不十分の場合は、鎮静薬を使用するべき。ミタゾラムやジアゼパム+酸素投与。

馬尾症候群、会陰部の知覚異常や膀胱直腸障害を症状とする下部脊椎神経根障害が生じます。神経毒性によるものと考えられていますが、

これも経過観察が必要ですね。

神経損傷、血腫、髄膜炎、脳神経麻痺。これらは区域麻酔でも硬膜外麻酔の時に生じやすいです。

実際に注意したいのは若年者で脊髄麻酔をするときは(小児~20歳)麻酔が予想外に高位に上がることがあり、突然重篤な徐脈や血圧低下を生じて心停止となることがあり得るので頭のノートにしまっとけ。禁忌ではないが、避けるべき。とも、言われている。

 

とここまでが分類と理論。実際の手技と経験談はこれから。

手技はまず側臥位になって、体位をとることが一番大切です。へそをみるように、腰を出していただきたい。

ポイントは男性は肩幅があるから頭の方がお尻より高い。女性はおしりが大きいから頭の方がお尻より低いことを意識する

高さはデルマトームに沿って。メルクマールになるのは、ヤコビー線、だいたいL4の棘突起に触れるので、L4/5の棘間であることが分かります。指2本で棘突起を頭からお尻に向かって触れてみるとわかりやすいです。

体位をとったら、消毒です。ヨードでの消毒がいいと思います。スペクトラムも広いですし。

1回目は広く。2回目は少し小さく。刺入部が十分に消毒されることを確認します。

時間をおいて。効果が十分に発揮されることを待ちます。

その間に道具の準備。局所麻酔薬E入りのキシロカイン、1%、マーカイン、局麻のための針、脊髄針、終わったあとの消毒と優肌パッドですね。

局麻して、脊髄にさす。ぶっさして、脊髄にあたったら、びくっとなります。せき髄液を少し引いて混ぜるようにして薬液をゆっくりといれる。髄液の逆流を最後に確認して、脊麻針を抜去する。

効果の確認は、セイフバイアクセスなどで刺してみる。足がポカポカしてくる。そうすると効果ありとしていいんですよね。

 

ここで経験談。この記事をかこうと思った理由ですが、脊椎麻酔が効かなかったんですよーー!

びくっとなって脊髄にあたって、少し引いて髄液の逆流を感じ、せき髄液を引いて混ぜてから薬液をゆっくり入れた。

時間を待って、ぽかぽかしてるし、セイフバイアクセスで痛みの効果も確認したのに。

いざ、皮膚を切開すると、痛い。となって術中はいたーい、と叫び声が聞こえていました。メンタル死亡。

患者さん、本当にごめんなさい。最悪です。

落ち込みましたねー。反省点はどこだろう。若い人で2.6mlもマーカインを入れました。多いです。

やっぱり入れ込んだ時に、ずれたんでしょうか。髄液の確認が不十分だったんでしょうか。最後入れた後に髄液がかえってくるか確かめるべきだったんでしょうか。

上手くいったと思ったのに。うまくいってないんですよねー。反省を活かしましょう。

 

いじょうです。ありがとうございました。2021/02/20

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