こんにちわー、しげぞうです。
今回の患者は前回にも出てきました。
ET G1を直腸原発にもち、肝転移している患者になります。
化学療法で治療していましたが、発熱が出て受診しました。
発熱の鑑別は、腎盂腎炎または肝膿瘍
腎機能が悪いため、造影CTは積極的には行わず、
単純CT、腹部エコーなどをしつつ
臨床経過をみつつ、評価していきました。
抗菌薬はセフトリアキソンが効果があった様子で、2週間が経過していきました。
抗菌薬を使用し、熱はなく、
バイタルは安定。
腎機能がよくなってきたところで、造影CTで肝転移について評価しました。
結果、肝膿瘍はない様子。
エコーでも、造影CTでも、
腎実質に腎膿瘍・AFBNのような所見を認めました。
これが熱源であろうと考えました。
ただし、もう軽快傾向であろうか、と考えてその翌日。
発熱が再燃。
39.0度を超えています。
胆嚢が明らかに腫大し、胆道が頸部に嵌頓している印象でした。
うーん。ここで、胆嚢炎でないか?と思ったんですよね。
今、改めて書いていると、おかしいですね。
そのまま腎臓が悪いと考えるのが、必然ぽいですね。
もしくは、肝膿瘍。
でも、エコーでしっかりと確認して、ドレナージを開始したんですね。
PTGBDを。抗菌薬を広域に変更して。
胆嚢炎の治療を開始しました。
そのあとは腹腔内出血。合併症です。刺してしまったんでしょう。
そこからバタバタと崩れ、静脈血培養を再度提出。
状態落ち着いてきたけど、完全に解熱してるってわけではない。
なんか感染きもちわるいぞ。
って時に出てきたんですよ。培養の結果。
培養の結果はMRS。
尿路感染がもっともらしい菌でした。
これは、、、
と思いましたね。
腎盂腎炎、腎膿瘍が改善してなかったんだろうな。
そのくすぶりが増悪したんだろうな。と思いました。
怖い怖い。
今、腎機能が悪いのに、バンコマイシンを使用しています。
やってくれます。
これから長い治療が必要になると思います。
膿瘍をつくるってそういうことなんだろうなと思いました。
大変ですね。
身に沁みました。膿瘍が完全に治るのは4週間くらい見たほうがいいんでしょうか。
ガイドラインには3週間ほど、抗菌薬を点滴から、内服に変えて使うべきとありました。
うっわ。
菌がスペクトラムにあたってると思ったのに、当たってないとかあり得るんですね。
効いてたら、あたってるっていう単純な話なんじゃないんですか。
もー。残念。
勉強が改めて必要ですね。
反省しました。
以上です。今日もありがとうございましたー
2021/03/25